芸は好感度がすべて
突然ですが、あなたは嫌いな芸人さんっていますか。
お互い人間ですから嫌いな人、ちょっと苦手な人がいるのは当然です。
中には生理的に無理、みたいなパターンもあると思います。
嫌いな人がやることに対して、人は皆否定的になる。
では「嫌いな芸人だけどネタは面白いと思う」という方はいらっしゃいますか。
これに当てはまる芸人さんは相当実力がある方でしょう。
普通に考えると、嫌いな芸人さんがやるネタを面白いとは思えないはずです。
面白くないから嫌いなのか、嫌いだから面白くないと感じるのか、いずれにせよ面白いと思われるためには好感度がある程度重要になってきます。
例えば仕事をろくにしないし挨拶もまともにできない、まじめなあなたはどうにも好きになれない後輩がいたとします。
そんな後輩が頑張ってネタをやっても、仮に面白いネタだとしても素直には笑えないはずです。
むしろやればできるのに普段は手を抜きやがって・・と怒りを覚える人すらいるかもしれません。
逆に、普段から愛想がよくて、かわいがられる人というのもいます。
彼らは一発芸もそつなくこなす人が大半ですし、仮にスベってもスベリ笑いが起こったりと空気が和んでしまいます。
観客の間で愛されキャラになってしまえば、これ以上にない武器となります。
この差こそが好感度です。
はっきり言って芸そのものとは関係のない話になってしまいますが、「一発芸をうまく乗り切りたい」と考える以上、この好感度を切り離しては語れません。
好感度がフラットな状態であればまだしも、マイナスな状態であれば最悪です。
いかなる工夫も無力といえるほど、観客のリアクションは冷ややかになってしまいます。
芸で笑いが取れる程度の好感度とは
「好感度稼ぎ」はあくまで芸につなげるための手段であり、目的ではありません。
本気で好感度を上げにかかろうとすれば、常に周りに目を光らせて気配りをし続けなければいけません。
好感度MAXの愛されキャラになってしまえば、あなたの一発芸ライフはバラ色に早変わりでしょう。
しかし、どれだけ頑張っても、愛されキャラになれるのは天性の素質を持っている人だけです。
だからといって好感度上げをあきらめてはいけません。
「印象がいい人」という先入観だけでも持ってもらえれば相当の儲けものです。
「あいつは仕事もまじめにやってるし応援したくなるな」
「いつも元気よく挨拶してくれるやつだ、どんな芸をするんだろう」
「気の利くよくできたやつだから頑張ってほしい」
こんな印象を観客が持ってくれていれば、他の好感度フラット芸人さんよりも一歩リードしています。
その程度の些細な印象でいいんです。
そして、ありがたいことに、ここまでの印象を作ることができれば、たとえ芸が失敗しても好感度が下がることはほぼないといっていいでしょう。(好感度が下がるような芸をチョイスした場合を除く)
バカバカしいと思われるかもしれませんが、日頃の行いは確実に一発芸の出来不出来にかかわってくるのです。
具体的にやるべきこと
ここまで読んでいただければ、少なくとも好感度を上げておいて損がないことぐらいはわかっていただけたかと思います。
先ほども言いましたが、好感度上げが目的ではないので躍起になって取り組むことはありません。
ただし、社会通念的にやっておいた方がいいであろうことをご紹介しますので、できることからコツコツ続けていってください。
1.挨拶
基本中の基本ですが、できていない人も実際には多いです。
体育会系のように大声でビシッと!というとハードルが高いかもしれませんので、まずは立ち止まって
「おはようございます」
「お疲れ様です」
「よろしくお願いします」
の3つを言えるようにしておいてください。
2.相槌
普段雑談をするような先輩・上司が観客になることが多いでしょう。
会話を盛り上げろ!というと全く別の素養になってしまいますし、その内容だけで別の記事が必要です。
ここでは、あくまで「相槌をしっかりとうつ」ということに焦点を当てたいと思います。
1パターンの相槌だけを繰り返したり、興味なさげな返事を続けると、好感度は下がります。
何でもいいので相槌は最低3パターンを使うようにしましょう。
「なるほど」「そうなんですね」「知りませんでした」
この程度で構いません。
上司の愚痴も実際には聞き流してしまって構いませんが、相槌だけは無意識でもいいので使い分けてください。
「ちゃんと話を聞いてくれるやつ」っていうのは意外とポイントが高いです。
家庭では妻子供が話を聞いてもくれないとか、話す側にもいろいろ苦労はあるわけですし、向こうは気持ちよく話せればオッケーってことも往々にしてあります。
3.気配り
細やかな気配りができれば、かなりの好感度上位層に食い込めます。
飲み会でサラダを取り分けるとか、飲み会でビールを注ぐとか、煩わしいと思う現代人は非常に多いでしょうが、これも笑いをとるための戦略の一環です。
重そうな荷物を持つのを手伝うとかでも何でもいいわけです。
いわゆる人間力があれば好感度は上がっていく、というやつです。
4.マイナス要素の排除
ある意味最も大事です。
上記3つをやらなくても、極論マイナスになる要素さえなければ後は仕事の出来やら何やらである程度好感度はカバーできます。
ではマイナス要素とは何でしょうか。
色々答えはあるかと思いますが、概して他人を不快にさせるような言動でしょう。
不要な悪態をついたり、鼻につく言葉遣いだったり、遅刻とか物忘れだったり・・
できうる限り健全で礼節を持って行動すればほとんどのマイナス要素は排除できるわけです。
これは何でも我慢すればいいというわけではありません。
ただし、不必要に敵を作ることは避けましょう。
おわりに
今回は芸そのものの話ではありませんが、芸の結果を左右する大きな要因であると思います。
煩わしい文化に倣うのも、すべては笑いをとるための戦略です。
もちろん、たかが一発芸ですから今までの生活様式を変えるほどに好感度を優先する必要はありません。
「稼げるところで稼ぐ」「稼げないものは無理しない」「余計なことをして好感度を減らさない」というスタンスで生きていきましょう。