一発芸のタブー 禁じ手4選
一発芸は戦略さえ練れるようになってくれば、ある程度狙い通りの盛り上がりを作り出すことができるようになります。
しかし、一発芸におけるタブーを犯してしまった場合はその限りではありません。
今回は、どんな戦略も台無しにしてしまうほどに危険な、一発芸の禁じ手を4つご紹介します。
1)下ネタ
日常会話でも使ってしまいがちで、簡単に笑いが取れると思われがちの下ネタですが、基本的にウケるのは親しい間柄の場合だけです。
気を許していない相手の下ネタには嫌悪感を感じるだけです。
特に女性は「生理的に無理」と思ってしまう人もいます。
テレビの芸人さんなんかでも、追い込まれた際に下ネタに頼ってしまうような場面を時折見かけますが、あれも観客の反応はよくありません。
何故なら、テレビの芸人さんは「親しい間柄」ではないからです。
悪く言えば、「初めて会ったおじさん」がいきなり下ネタをかましてきた、という状況なのです。
これは女性でなくても嫌悪感を覚える人が多いでしょう。
前述の通り、仲のいい友人との日常会話で使う分には問題ありませんし、普段のシーンで使っているものを今からやめたほうがいい、というわけではありません。
しかし、一発芸を披露するようなシーンで不特定多数を相手にする場合の下ネタは、今後の大学・社会人生活へも悪影響を出しかねないので避けるべきでしょう。
2)長すぎるネタ
どんなに戦略を練りこんで作り上げたネタであっても、長すぎては中だるみしてしまいます。
短くまとめておけば笑いにつながった可能性も高いだけに非常に惜しい禁じ手です。
もちろん、芸人さんの中では長いネタでも終始笑わせられる方も多いですが、それを一般人がやるのは難しいでしょう。
ピンでやるような一発芸では長くても30秒以内、基本は10秒以内に収めるべきでしょう。
複数人でやる大掛かりなコント・漫才等でも5分は長いと感じてしまいます。こちらは3分以内でまとめるつもりぐらいのほうがちょうどいいです。
とはいえ、「15分与えるから余興として盛り上げてくれ」というシーンもあるでしょう。
そういう場合は、一つのネタが長く続いているような状況を避け、複数のネタの合計時間で10分とか行くようにしてください。
個人的な体感ですが、与えられた時間いっぱいを使おうとせず、せいぜい80%程度やれば問題ないと思います。
基本的には会の進行は遅れていくものですし、芸の時間が短くなったらその分歓談の時間が増えればいいだけですので、芸で時間を稼ごうと考える必要はありません。
笑いが取れる分には短ければ短いほどいいです。
時間をかければかけるほど盛り下がるリスクは高くなります。
3)身体を張りすぎたネタ
一気飲みをしたり、見てるだけで痛さを感じる芸をしたり、身体の張りすぎにも注意が必要です。
可哀そうとか思われたら盛り上がりどころではありません。
特に一気飲みなんて、自殺行為でしかありません。それで盛り上がってくれるような人たちの集まりは危険極まりない集団です。芸としては成り立たないものと考えてください。
身体に洗濯ばさみを挟んだり、ゴムパッチンをしたり、毛を燃やしたり・・・身体を張った芸は大掛かりな準備もいらないため楽ではありますが、あまり戦略を練りにくいジャンルですし、リアクション芸というのは一般人が思っている以上に難しいです。
特に、芸の中で怪我をしたりしてしまっては、会場はドン引き間違いなしです。
身体を張るというのであれば、怪我のリスクがないようなものをチョイスしましょう。
服を脱ぐ、なども身体の張り具合からすれば大したことはないのかもしれませんが、脱いだだけで盛り上がることはありませんし、何なら裸自体に嫌悪感を覚える人も多いので避けたほうがいいでしょう。
どうしても使うのであれば、「服を脱ぐ」という行為に対してネタの中で意味を持たせるようにしましょう。
身体を張った芸を評価するおじさん層が一定数以上いるのは間違いありませんが、その人たちに気に入られたら永遠に身体を張らされ続けます。
将来まで含めて戦略を練りましょう。
ネタを考える際にはあなた自身がどう思われたいか、今後どういった立ち位置にいたいのか、そんな視点も持ってみるといいかもしれません。
4)範囲の狭すぎる or ずれている内輪ネタ・身内ネタ
これは他の回で散々話している内容ですので詳細は割愛します。
観客のニーズにそぐわない内輪ネタをやってもだれも盛り上がらない、ということです。
たとえ自分が面白いと思っても、内輪ネタがその観客界隈で理解を得られるのか、しっかり考えましょう。
以上の4点は、基本的に大勢を前にした状況では避けるべきネタです。
ただし、限られた閉鎖的空間、それこそかなり狭い範囲の内輪の中で使ったり、特殊な環境では爆発力があるのも事実です。
体育会系で男だらけの環境であれば下ネタや身体を張ったネタがむしろ好まれることも多いでしょう。
しかし、女性もいるような場所や幅広い世代が集まるような場所では確実に禁じ手です。
成功している前例が無い限りは、初心者が大衆の前で使うのは避けましょう。
せっかくネタ作りを始めても、それがタブーであっては元も子もありません。
禁じ手を避けて戦略立てていけば、自ずとネタの方向性は決まってきます。
無駄に引かれて盛り下がってしまわないように、しっかりおさえていきましょう。