モノマネは才能がないとできないのか
突然ですが、皆さんは得意なモノマネはありますか。
モノマネといっても有名人・キャラクターに限らず、学校の先生とか友達とか、電化製品の機械音でも何でも構いません。
クオリティはさておき、何かしらできるよ・やったことあるよって人は意外と多いんじゃないかと思います。
モノマネ芸人さんが数多く居ることから分かるように、モノマネは一つでも持っておくと非常に応用が利く優れたネタの一つです。
数年前にR-1でモノマネ+シチュエーションで優勝した方も居ましたね。
とはいえ、テレビで見るような芸人さんは相当にクオリティの高いモノマネができるからウケるだけだ、という意見がほとんどでしょう。
しかし、モノマネのスキルはある程度上げられますし、そこまで似ていなくても笑いを取れることもあります。
今回はそんなモノマネに焦点を当ててお話していきます。
そもそも何のモノマネがいいのか。
基本はもちろん観客が分かるものでないと共感が得られません。
完全自作の細かすぎて伝わらないモノマネをやると大体痛い目を見ます。
方針としては以下の2つがあります。
1) モノマネ芸人さんがテレビ等で披露しているモノマネ。
モノマネ芸人さんはマネをする対象の特徴を極端に誇張してやっていることが多いです。そして、その特徴がやりすぎであっても、共感が得られるから笑いにつながるわけです。芸人さんが研究した上で誇張した特徴ですので、それを活かさない手はありません。
2)内輪で有名な・特徴的な人のモノマネ。
これも鉄板のひとつでしょう。口癖とか話し方とかの特徴は意外とみんな気づいています。それをモノマネすることで、こちらも共感が得られるわけです。ただし、気難しい人や女性を対象にするのはハイリスクです。後々怒られることもあります。「いじりやすい先輩」ぐらいの人が一番ちょうどいいです。
入り口も2つです。
1) この人のモノマネをしたい!と思える人を対象にする
2) ちょっと似てるよね。とか言われたことある人を対象にする
きっかけはどちらでも構いません。では何から始めるか、ずばり観察です。
モノマネを自分でするつもりで観察してください。本人そのものの観察はもちろん、芸人さんがやっているモノマネがあるならそれも観察してください。
人は視覚・聴覚から入ってくる情報をなんとなく脳内にインプットしています。徹底的に観察して分かった特徴も、実は無意識で認識していることがあります。つまり、それを意識的誇張してモノマネすると、「確かにそういうことよく言ってる!」「あの人そんな動きしてた!」となるわけです。
後はその特徴を思いっきりモノマネするだけです、がそれを似せるのがなかなか難しいものです。
声マネでも動きのマネでも、動画をとるなり録音するなりして、自分で確認してください。誰も見ていなくてもすごく恥ずかしいものですが、これでかなり調整がききます。
「もう少し声は高いな」「もっとオーバーに動いてるな」などなど、観察結果との誤差を埋めていきましょう。
おすすめなのはシャドーイングです。よく英語の発音練習に使いますよね。
本物を聞きながら、自分の声をあててみてください。
歌を歌う時も本物を聞きながらのほうがうまく歌えたりする、あれです。
これでなかなかの完成度まで持っていけます。
後は観察結果を応用してセリフのレパートリーを増やしたり、複数種類マスターして掛け合いをしたり、さらには絶対に言わなそうなことをあえてモノマネをしたり・・・ここまでできればもうモノマネで食っていけるんじゃないかと思われそうですが、現実はそこまで甘くないです。
実際には何となく似てるぐらいまで持っていければいいほうです。
さらなる完成度を求めるのであれば、自分で確認した後に人の意見を取り入れることも必要になってきます。
しかし、宴会芸での盛り上がり、という観点であれば、何となく似てるぐらいでも十分です。
要は伝わればOKです。全く分からないようなクオリティでは厳しいですが、伝わるレベルまでならいけるはずです。
では、どうするか。
シチュエーションや設定を足すことで、モノマネの精度をカバーしましょう。
理想としては、まず普通にモノマネをして、そのあと同じセリフを別設定で使うようなイメージです。
素の自分とモノマネの一人二役をする・音楽を付ける・衣装を用意する、なんでもいいので、場面はわかりやすくしてください。
ネタは伝えることが第一です。
いつか具体例はまとめようと思いますが、まずは自分で戦略を立ててみてください。
モノマネは非常に万能です。内輪であれば、かなり笑いを取りやすいツールだと思います。
一つモノマネをする人は色々なモノマネができることが多いので、才能のある人がやるものだ、と思われがちですがそうではありません。
得意な人はよく観察している人です。観察して特徴を意識的にとらえているからモノマネができるだけです。そして、そういう人は日ごろから人前で勝手にモノマネをやってたりします。日々練習の場を設けているわけです。人よりうまくて当然です。
そして分析して、戦略を立てて、練習する。これはどういうネタを選んでも同じ過程が必要です。