余興は大勢でやったほうがウケるのだろうか
さて、前回に引き続き、ネタをやる前に己を知っておこうということで、ピン芸ではない場合を考えてみます。
基本は同じです。
何人でやるにしても、その人の特性や特技というのを考えていきましょう。
他人とはいえ、一緒にネタをやる相手はもちろん「敵」ではありません。
自分を分析するつもりで相方・チームメンバーとなる人のことを分析しましょう。
他人からの分析は、自分でも気づかない特徴に気づくことができる・他人目線なのでより観客に近い目線で分析できる、といったメリットもあります。
この分析で分かった特徴は「商品」です。
単純計算で、2人なら2倍、5人なら5倍の商品数になりますので、できるネタの種類組み合わせも増えていきます。
ただし、多ければいいってものでもありません。
例えば1人の商品数が5つだとすると、2人なら10、5人なら25です。
多ければ多いほど、結局どの商品を売りにしたいのか分かりにくくなってきます。
組み合わせも、全く関係ないものばかり組み合わせられると、購入側は戸惑ってしまいます。
PCを買うとき周辺機器がセットで買えるのはお買い得だし、常套手段となるくみあわせですよね。
参考書に筆記用具とかノートが組み合わせられるのは理解できるし、それで割引になるなら買ってもいいかなと思います。
食べ物に調理器具と食器、これもまあ想像はできるし組み合わせとしてはありでしょう。
食べ物に筆記用具がついてきたら、意味が分かりませんよね?
PCに調理器具が ついてきたら、こいつやばいな。。ってなりますよね?
凄く当たり前のことなんですが、これをネタでもやってしまう人が後を立ちません。
もちろん、あえて不純物を入れてツッコミの隙を残す、という方法はあります。
でも、それは分かった上でやってて、ツッコミが絶対に入るから面白いんです。
組み合わせがガチっとマッチすれば、すごく面白いことになります。
二人ぐらいなら組み合わせ方もそんなに多くないので、これだ!っていうパターンに持っていきやすいでしょう。
でも、人数が増えれば増えるほど、その組み合わせ方の正解は難しくなるんです。
だから大勢で芸をやるとなると、ダンスとかで個々の商品を無理に活かそうとせずにするのが簡単かつ安全です。
ただし、大勢であることには利点もあります。
スケールメリットというか大量生産というか、いわゆる数の暴力です。
「全員の動きが揃っている」ことによる新たな商品価値が生まれます。
無理にバラバラの商品を一つずつ活かすより、そうしたほうがシンプルで分かりやすいので、受け入れられやすいです。
要は「選択と集中」をネタに対して行ってください。
どの商品を選択するか決め、余計なものは入れずにそれに集中。
大勢だからウケるとか2人のほうがすっきりしていてウケるとかではなく、どういう商品ならウケにつながるかです。
当然どういう場で披露するかでもどっちがより好まれやすいかっていうのはありますけどね。
それはまたの機会にお話ししましょう。