真似を繰り返すことで人の知は今日まで積み重なってきた
いよいよ、ネタ作りの話をしていきたいと思います。
今まで書いてきた内容の中で、何かできそうなネタが思いついた人はまずはそれを実践してみてください。
いきなり本番が厳しい人は、友人でも家族でも誰でもいいので見せてみましょう。
もし今までに芸の経験がほぼない人なら間違いなく失敗すると思います、がそういう空気に慣れるのも非常に大事です。
とはいえ、それでは丸投げすぎるし、このブログの意味がありません。
そもそも、いきなりネタを思いついてすぐに行動する人はネットで調べたりもしないでしょう。
まずは、自分が面白いと思った芸人さんのネタを何回もマネしてください。
芸人さんは私たちが授業を受けているとき、会社で仕事をしているとき、のんびり家でゴロゴロしているとき、自分たちのネタを考えることにすべてを注いでいます。
そんな完成度のネタが世の中には数えきれないほど出回っているのです。
それを差し置いて、自分たちでせいぜい1~2週間、長くても1か月くらいかけた程度のネタで芸人さんのネタの完成度に勝てるのか、ということです。
ちなみに、私がこれを実感したのは高校時代です。
当時、同級生の中でも面白くて目立ってる2人組みがコンビを組んで、自分たちでネタを考えて文化祭で漫才をしていました。
知っている人ということもあり、それなりには面白かったのですが、会場のウケはいまいちです。
一方、この漫才バトルに後輩の2人組みも参戦していました。
どちらかというと彼らは、面白いことをバンバン言うようなタイプではありませんでした。
しかし、彼らの漫才に会場は大爆笑でした。ついでに、文化祭ということもあり、面白い2人組みとして認知されたおかげで、女の子から次から次へと話しかけられていました。
私はすぐにその後輩2人組に話を聞きました。
彼ら曰く、「自分たちはそこまで面白いわけではないからこそ、いっぱいネタを調べて勉強しました」とのことです。
調べただけでそんなに面白いネタができるのか、と思いましたが、その時はそれ以上追及もせず終わりました。
数年後、たまたまテレビを見ていると、なんと後輩たちがやっていたネタをやっている芸人さんがテレビに出ていたのです。
つまり、後輩たちは未だ売れる前の原石である芸人さんのネタを引用して使っていたのです。
私はすぐに、文化祭のビデオと当時のその芸人のネタを見てみました。
間違いなく後輩たちはそのネタを真似してはいるのですが、全くのマネではなくむしろ改良していました。
ピンのネタに突っ込みを入れて漫才にしたり、間延びしそうなネタを削ったり、正直芸人さんのネタより面白いんじゃないかとすら思える完成度でした。
芸人さんは与えられた時間ネタをし続けないといけなかったり、文化祭よりもよっぽどアウェーな環境でネタを披露したりと、心理的負担は後輩たちの比ではないでしょうし、無理もない話かもしれません。
しかし、これは完全に彼らの戦略勝ちと言わざるを得ません。
もしこれが、大喜利バトルだったら恐らく同級生の面白コンビが勝っていたでしょう。
一方、準備期間を与えられるネタバトルでは、限りある時間をどのように使うかと言う戦略が鍵です。
長くなりましたが、まずは何でもいいので面白いと思ったネタを存分にパクってみてください。と言うことで今回はここまでです。