敵を知り、己を知ることで勝利を収める
今回は、芸に臨む上でもっとも基本的、いうなれば戦略を練る上での前提についてご説明します。
一発芸・余興の大前提
どんなネタをやるのか考えはじめる前、最初にやるべきこととは何でしょうか。
私の経験上、<u><b>「敵を知り、己を知る」</b></u>ことに尽きると思います。
戦略が全て、というだけあって、ネタ披露はある意味戦いです。
敵の布陣や弱点を知り、己の持ちうる戦力から有効な手段を選択することで、勝利を得られるのです。
かつて長篠の戦いで、当時最強と謳われた武田騎馬軍を破った織田軍も、自身の戦力を把握し鉄砲という「戦力」と3段撃ちという「戦術」を駆使していました。 (最近の研究では実は違うらしいですが・・)
話がそれましたが、どんな敵に対してどう戦うのか、すなわちどう笑わせるのか、事前のシミュレーションを行ううえでも、この分析は必ず行ってください。
さて、ここでいう敵はもちろん観客、すなわち誰に見せるのかです。
相手がお年寄りが多いのか、はたまた大学の先輩なのか、全く初対面の人ばかりか、年代はどのあたりなのか。それによって選ぶネタも変わってきます。
どんなに面白いネタでも、相手に伝わらなければ意味が無いし、馴染みが無さ過ぎても盛り上がりに欠けます。
逆に言えば、自分の周りではウケないような往年のネタも、相手が年配ばかりの場では盛り上がります。
また、内輪ネタになりますが、特徴のある人をいじったり、モノマネをしたりというという戦略もあります。
あとは、この人を笑わせておけば間違いない、といったターゲットが分かるとさらに戦略は絞れてきます。
敵を知るについては別の記事でより詳細に説明していきますね。
そして、己というのは当然あなた自身のことですが、もしグループでやるネタの場合にはそのメンバー全員のことを知る必要があります。
普段のキャラクターはどういった人なのか、変わった特技を持ってるやつはいないか、昔やっていたスポーツはあるか、普段の動きに何か特徴はないか、誰がどういう役割を演じるか。
適材適所という言葉があるように、その人にあったネタ選びが大切です。
また、過去にやったことのあるネタなんかがあれば、その経験は立派な武器です。
過去にそのネタを練習した、という経験も有利に働きます。
相手がいる以上、魅せ方はとても大事です。
己を知るについても詳細はいずれ語ります。
ネタは戦略がすべて
いかがでしたでしょうか。
敵を知り、己を知ることが大事なのはべつに一発芸・余興に限った話ではないかと思います。
仕事でもスポーツでも当たり前にやることですよね。
それが芸になると、視野が狭まってどうすればいいかわからないという人が非常に多いです。
別に我々は売れっ子芸人ではないので、面白いネタを作る必要はありません。
面白いネタは芸人さんが作ってくださっているので、あとは何をどう選ぶか・どう魅せるかという戦略がカギとなってきます。
今回はここまでです。
次回は敵を知る。を少し掘り下げてみます。