一発芸をやるときに押さえておきたい注意点
一発芸を急に振られて嫌だなあと思う人は多いと思います。
振られた後の行動によっては、余計にハードルを高くしてしまったり引っ込みがつきにくくなったりしてることをご存知でしょうか。
今回はそんな、一発芸をやる上での注意点についてお話しします。
1)余計な間は作らない
一発芸を振られたら、「え、やりたくないし」とか「何も思いつかないよ」とか思って何もせず時間だけが過ぎてしまうことありませんか。
何をやるか思いつかないとしょうがないのですが、それでも変に中途半端な拒否をしたりして無駄な時間がかからないようにしてください。
間があけばあくほど、周囲の期待値が上がってくこともあればイライラがたまっていくこともあります。
それを上回る面白いネタがあるなら話は別ですが、できるだけ振られてからすぐにネタを披露してください。
どうしても思いつかないときはその場で考え込んだりせず、「10分時間をください!」などと言って、いったん注目を切らしてください。そしてその10分でとっさにできる何かを用意して、また振られたときにすぐにやってください。
2) 伝わらないことはやらない、伝える努力をする
芸はコミュニケーションの一環です。
伝わらなければ意味がありません。
伝わらない代表例は以下の通りです。
-声が小さかったり早口すぎたりで、何を言っているかわからない
-言葉だけで状況を伝えようとする
-昔の内輪ネタなど、その場にいる人から共感が得られない内容をネタにする
これらの問題点は、見る側の立場でネタを考えれば必ず解決できます。
-大きな声ではっきりと喋れば、全員に聞こえるに違いない
-言葉だけだとわかりにくいから、動きを使って表現しよう。シチュエーションによっては衣装を用意してもいいかもしれない。
-○○先生のモノマネがウケたのは高校の同級生に対してだけだから、いくら得意でもそのまま取り入れるのはやめよう。すべらない話に盛り込むか、もしくはこの会にも参加するA先輩の喋り方がちょっと○○先生に似ているから、誇張したバージョンとしてやってみようか。
言いたいこと・やりたいことが伝わらなければ、盛り上げようとしてくれた先輩たちもタイミングがつかめず、余計に白けた空気を生み出しやすくなってしまいます。
人は滑った人には意外と優しいですが、「何を言いたかったのか分からない」など腑に落ちないものに関しては非常に厳しいです。人によっては怒るかもしれません。
自信がないと伝えるのを躊躇してしまう気持ちはわかりますが、伝わらないネタがウケることは絶対にありません。まずは伝えることを心がけましょう。
3)ふざけない
芸は楽しくやるべきですが、ふざけてはいけません。
ここでいうふざけるというのは、人を馬鹿にしたようなネタや突拍子もない冗談で笑いをとろうとすることを言います。
人を馬鹿にして取る笑いは百害あって一利なしです。仮に一部の人から笑いが得られたとしても、大多数は嫌悪感を感じてしまいます。
「誇張したモノマネは馬鹿にしてるんじゃないの?」という意見はよく言われます。確かに、あまりに誇張した表現や、あまり人に触れてほしくない箇所のモノマネは人によっては不快に思うでしょう。可能であれば事前に本人の了承は取るべきでしょう。
しかし、重要なのはそこに馬鹿にする気持ちがあるかどうかです。その気持ちは必ず観客に伝わります。無礼講だから何でも許される、と考えるのはやめましょう。
突拍子もない冗談というのは、単純に言えば嘘のことです。
コントなどの設定についてはそもそも空想の話ですし、嘘とは言いません。
たとえば、嘘のエピソードで笑いをとるのはお勧めできません。特に自分の過去や他人のエピソードに対して嘘をつくのはやめましょう。
まずは相当作りこまない限りリアリティが出ないこともあり、「嘘くさい」と思われれば笑いにはつながりません。
また、不用意に嘘をつくことで、誰かを傷つけてしまうこともあり得ます。
さらに、芸の後にその話を深掘りされれば、嘘についてボロが出てしまい、結果反感を買うこともあり得ます。
さらには一時のノリで物を壊したり関係ない人を巻き込んだり・・などを一発芸としてやる人も中にはいます。これは芸ではなくただの悪ふざけです。
一括りに「ふざけない」といったのは、ふざけた気持ちでネタを作らないでほしいという意図もあります。
勢いとノリは必要ですが、ふざける必要はありません。固く考えてほしいわけではありませんが、真剣にネタと向き合いましょう。
ふざけることは人を傷つけることにつながると覚えておいてください。
当たり前の内容だとは思いますが、視野が狭まった状態でネタを考えると、こういう基本的なところを見落としがちです。
心の片隅に置いていただけると幸いです。